大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(行ケ)21号 判決

一 請求原因一及び二の事実は、当事者間に争いがない。そこで、原告主張の審決取消事由の存否について判断する。

二 まず、本願商標から「ソニー」の称呼を生ずるか否かについて考察する。

弁論の全趣旨によれば、本願商標中の「SONY」の文字部分は、その優れた性質を有するトランジスターラジオ、テープレコーダー等の故に、本願商標登録出願前より、日本国内はもとより世界各国にも広く一般に知られたソニー株式会社(原告)の製品に使用されている著名商標を示すものであることが明らかである。

したがつて、本願商標の指定商品の取引者需要者は、本願商標に接する場合、一見して直ちに、「SONY」の文字部分に、ソニー株式会社あるいはその系列に属する者に関係する商品であるとの強い印象を受け、これに注目するものということができる。これに対して、「LINE」の文字部分は、「系列」「系」等をあらわす格別の限定的な意味をもたない、諸般の分野において普通に用いられる語として疎薄な印象を与えるにとどまるといわなければならない。そうであれば、本願商標から「ソニー」の称呼を生ずるということができる。

被告は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一連に書して成る本願商標は、全体をもつて、「ソニーライン」とよどみなく一気に読まれるものであり、冗長にわたるものでもないから、本願商標から一連に「ソニーライン」の称呼のみを生ずる旨主張する。たしかに、本願商標から一連に「ソニーライン」の称呼を生ずるということも是認されようが、そうであるからといつて、前述のような特段の取引の実情のもとにおいて、本願商標から「ソニー」の称呼を生じないとすることはできない。成立に争いのない乙第一号証と第二号証の各一ないし四も、前記認定を左右するものではない。

右のとおりである以上、本願商標から一連に「ソニーライン」の称呼のみを生ずるとし、これを前提に本願商標と前一の項の各登録商標とを非類似とした審決は、その余の点について判断するまでもなく、商標類否の判断を誤つた違法のものといわなければならず、取消を免れない。

三 よつて、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求を正当として認容することとする。

〔編註〕本件に関する商標は左のとおりである。

第一

<省略>

第二

<省略>

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